NISHIGUCHI KUTSUSHITAの工場見学記

ニシグチクツシタは、1950年から靴下を作り続ける会社「株式会社ニット・ウィン」の作るファクトリーブランド。

structではブランドスタートより取り扱いをさせていただき、今回は兼ねてより話に上がっていた靴下の工場見学が実現!

WEBスタッフのコイデが、ニシグチクツシタの「はくひとおもい」のコンセプトについて工場見学で感じたことを記したいと思います。

奈良は靴下の一大産地

国内年間の靴下生産量は全国で約1億5000万足。

そのうちの6割、9千万足余りが奈良で作られている、靴下の一大産地になっているのは有名なところ。

ニシグチクツシタがある奈良の工場へ向かう途中にも、過ぎる景色に「ニット」の文字や靴下のアイコンが書かれた工場がちらほら。

ふと、そんな無数とも言える数ある靴下の中から「ニシグチクツシタ」を取り扱おうと思った日を思い出しながら、風景を眺めました。

工場に到着して、お店にもよく遊びに来てくれるブランドマネージャーの西口さん(画像の男性)が出迎えてくれます。

西口さんが着ているワークジャケットの胸元にはニット・ウィンのロゴマーク。

従業員の方も同じようにオリジナルエプロンやジャケットを身にまとって、作業台に向かわれたり機械の間をひっきりなしに行き来しています。

自分たちを見かけるたびに機械の作動音に負けない大きな声で挨拶をしてくださる従業員の方々。

照明の光量以上に明るい光景を見たように思います。

コーン巻きの糸がツーツーと吸い込まれていく機械が、それぞれの部屋に数十台ぎっしりと並ぶ光景は圧巻。

工程や、仕様によって機械は変わっていきます。人が通れるスペースだけを残して部屋は全てが機械。

機械によってはコンピューター制御ではなく手動で調整するオールドマシンや、既存の機械に手を加えて改造したものなどさまざま。

そしてそのほとんどが稼働して、ニシグチクツシタの製品に限らず、さまざまな模様や素材の靴下が生み出されています。

常にマシンは調整されて、自分たちがお邪魔しているときにも職人さんが機械に張り付き、細かな作業をされていました。

つくる、を繰り返す

靴下は編み上がったときは円筒状。つま先が閉じられていません。

素材によってはゴワゴワ、しわしわとしていて、普段店頭で見かける姿とはちょっと違います。

「ここからつま先を縫って、洗いをかけたり熱をかけたりといった工程があります」

西口さんができたての靴下を掴みながらその後の工程を説明してくれました。

ここでは書き切れない、機械の構造。素材の特質を考慮した製造方法。

コーン巻きの糸も、素材によっては機械に適するために一度巻き直す工程が必要であったり、一つ一つの工程が靴下を作るために「つくる」ということを繰り返す連続。

素材を用意して、機械を動かしていれば勝手にポンポンとできあがるわけではない、一つ一つの工程に知識と経験に裏付けられた理屈があります。

そして、円筒状に編み上がった靴下を縫いあげる、縫製工程も案内してくれました。

つま先になる部分を機械に通すと、一番負荷のかかる箇所のため縦と横二回縫われます。

そうして、ようやく普段見慣れた「靴下」の姿になった製品は、最終の仕上げの工程に移ります。

また部屋を移動し、扉をくぐると10人ほどの女性たちがニット・ウィンのエプロンを揃いでかけて黙々と作業をされていました。

製品には個性があり、同じ製品でも仕上がりに若干の差が出ます。その左右差を極力なくすために、人の目が入ってカップリングされていきます。

また、製品に問題がないかの確認とともに、ニットには必ず編み始めと編み終わりがあるので、そこを始末する工程があるそうです。

一足ずつ、細かな網目から爪のような器具を使って、1本の糸を引っ張り出し始末をつける。

このすべてが手作業で行われている。

個人的には今回の見学でこれが一番驚きました。

自分たちの作るblueoverという靴も、人の手のかかる工程は多いのですが、生産数が段違いの靴下を作りあげる工程にここまで人の手が加わっていているとは思わなかったでのす。

「ファクトリーブランドだからリーズナブルにできる」という認識をもっていた自分は、その浅はかな考えに恥じ入りました。

ファクトリーブランドとしてのニシグチクツシタ

工場を持たない企業が製品を作る場合、ニット・ウィンのような工場にお願いしてオリジナルの商品を製造するという形態が一般的です。

つまり、一般的な流れとしては「メーカーからの依頼で工場で生産→ブランド→お店→お客さまへ」という物の流れがあります。

ファクトリーブランドの場合は、工場が企画から作る製品なので「ニット・ウィンが工場で生産→お店→お客さまへ」と最短で製品が届けられます。

そのため、良いものをリーズナブルに、お客さまへ直接届けられるのがファクトリーブランドの利点です。

ただ、どちらか片方が欠けても、会社だけでなく「ニシグチクツシタ」というブランドも成り立たないと西口さんは言います。

ニット・ウィンが掲げる「1日を変える靴下」というビジョンがメーカーからの信頼を育み、ニシグチクツシタは無理に需要を超える作り方はせずにすみ、自分たちの理念や思いを伝え理解してくれるお店と(お客さんと)深く取り組んでいくことができる。

もしファクトリーブランドだけで会社をなりたたせようと思うと、大きな需要を生み出さなければ全ての機械が常に動くことは難しくなってきます。

そうなると、ニシグチクツシタを売ることや量を作ることが優先されてしまい、無理に作られた製品となり、果たしてそれは「はくひとおもい」の靴下なのか。

実際に、2018年の新商品「雪国対応靴下」である「モヘアウールパイルソックス」は、北海道・東北・北陸の寒冷地のお店さまとの取り組みの中で生まれた商品だと言います。

そんなふうに、一般的な「企業と工場」の生産とはまた違う形ではありますが、ブランドの理解者との二人三脚によってニシグチクツシタは作られているのかと感じました。

もちろん、そこにはエンドユーザーであるお客さまも含まれています。

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全ての製品が定番という信頼。

日本一良い靴下を作ろうと常に考えているという、強い自負。

製品に表れたその思いが、無数の靴下のなかからニシグチクツシタを選ぶ決め手になったのかもしれない。

帰りの風景に映る無数の工場を眺めながら、また違う印象でニシグチクツシタを選んだ時のことを思い出しました。

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